Tanktopism

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発狂すべし。人生の謎

なぜ、あれほど読みたかった書籍よりも猫のミームばかりに脳内を支配されているのか。偉人達の金言よりも広告ばかりが目に焼き付く。気が付けば、欲しくもない家電を検索している。ばかばかしい。わかっていても人間の愚かさに歯止めは効かない。どれほどに価値のある一行であっても、やはり動物としてのヒトにとってそれは単なるインクの集合体としか認知されないのかもしれない。

人は見たままを最優先に知覚する。よって画像は単純で、最も素早く記憶にとどまり、そして連鎖的に脳内に貯蔵されたほかの記憶を掘り起こす。かわいい動物。ほしかったもの。あの人が身に着けていた品物。きれいな風景。珍しい現象。素敵。そういう本当に単純明快なものを脳は好むのだろう。それがもっとも居心地が良い状態であり、単純な決定によって成立する生活のほうが、本能に従った自然な生き方に適合するのだ。

また、他人の不幸は蜜の味は真理であり、それもまた同程度には好まれる。災害。凄惨な交通事故。詐欺師の逮捕。これらの甘い刺激は写真や動画を添えられてさらに中毒性を高める。わが脳の大部分がこれらの一見単調でありながら、企業によって巧妙にコントロールされた刺激に飼いならされるがあまり、許容量を超えた情報は意図せずはじき出されてしまうようだ。これはそう簡単に脱せるものではない。